◆◇アーティストの横顔

大杉歩 osugi ayumi [artist]

 

 

 

京都市立芸術大学美術学部

油画専攻 三回生

 

高校の時から絵画制作という手段で、自分の心の世界を探ることに夢中になる。今回は、曲のイメージを色と形で表現するという、初めての試みだ。選んだ曲(サンサースの水族館)は、これまでの表現に刺激を与え、私の精神的世界観にさらなる色づけと、広がりをもたらすことになり、また新しい創作意欲が生まれた。さらに、この展覧会では、得意な歌も披露させて頂けるとのこと! 今の自分が、思いっきりぶつかっていける「表現」がここにある。

油画専攻でありながら、歌を歌うのが好きで最近ミュージカルの世界にも足を踏み入れた大杉歩。美術と音楽の世界を行き来する彼女に、その魅力を訊きました。

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☆城田__

京都市芸大の油画専攻はどういった所なのか教えてください。
★大杉__

何にも縛られないところです。というのは、いろんな意味で。(笑)自由ということですね。

例えば、他の専攻と比べて、人から見られてどうか、ということより、自分の気持ちがどう動いたか、どういったことがしたかったのかを重要視しているように思います。もちろん合評では先生や先輩に意見をいただきますが。

また使う画材も油絵の具に限らず人それぞれ。ただ、何故その材料を選んだのかは自分の中でしっかり持っておくべきですね。

どうしてこういった指導方針なのか。それは学生が自由な発想によって、新しい美術の世界を切り開いていけることを目指しているからだと思います。

☆城田__

美術も音楽も小さい頃から好きだったとのことですが、あえて油画に進んだのは何故ですか。

★大杉__

歌は小さい頃から毎日お風呂で歌っていてとても楽しかったし、美術もよく褒められるのが嬉しかったです。でもなぜ美術を選んだかというと、ただ単に楽譜が読めなかったというのもありますし、歌を人前で披露する自分が想像できなかったのです。ストレス発散で歌うときもしばしばだったので。今でもそうですね(笑)でも最近は人前で披露する楽しさにも気づきました!

☆城田__

歌をやっていて、それが美術に生きたことはありますか。

★大杉__

沢山あります。相互にあります。
音楽は、音になるその一瞬へのかなりの集中力が試されます。一方で美術(特に油絵)は、何回でも書き直せるため、集中力を失うことが時々あります。(これは私の場合ですが)

しかし音楽をすることで、キャンバスに描く瞬間の、その一瞬に気を配るようになりました。気持ち、ハケの柔らかさ、絵の具の伸び…などなど。その時にしか描けない線の重要性にも気づくようになりました。
描いていても、歌だったらこんな音になるだろうとか、歌っていても、絵だったらこんな色になりそうとか、イメージしやすいのがお得です(笑)
それから、不調なときにその原因が、例えば楽しんでないとか、歌を歌っていて、「あー絵といっしょやな」と思ったり…逆もあります。とにかくやってるときの気持ちと生み出されるものの連動は美術も音楽もいっしょです。

あと質感にはとても気を配っていますね。絵でも歌でも!透明感があって、スコーン!ってしているのが好きです(笑)


最近は、自分を出して行くことについて怖がりすぎているのを直したいなー(笑)

☆城田__

最後に、京芸のいいところと、簡単に城田を紹介してください。紹介文は全部そのまま載せます。少しでも変えると自己紹介になってしまいそうなので(笑)
★大杉__

京芸のいいところは、音楽学部と交流できるところと、ミュージカルができるところが、私にとってはとても魅力です。私だけかな(笑)
城田は、
・とにかく人と関わるのが好き。人が好き。
・マルチ
・仕事ができる
・宣伝するのが何故か好き
・行動力がすごい
・顔が広い
・効率性を重要視
・人を動かす力が最強!(笑)
・すごい女…

☆城田__

音楽学部と交流できるのは私にも魅力です(笑)
まさか紹介文が箇条書きで来るとは…しかもなんだかバリバリのキャリアウーマンみたいですね(笑)まだひよっこの大学生ですよ。

おすぎ、ありがとうございました。

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インタビュー後、彼女は早速歌いに出かけました(笑)

そして後日、最近の作品のテーマにもなっているという、妄想の話(笑)を文章にしてもらいました。

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何もないやわらかい水の中で歩いていた。
進む体には不思議と水の重みが邪魔しなかった。が、体の縁にはその存在があった。

囲まれるのは嫌じゃない。ただ、大きく吸ったり吐いたりができないだけだ。時間、自分の中のもの、そこに流れるものはすべて…同じ早さでしか動かないのである。
その中でいつも私は何も考えられなくなって…
トクトク…トクトク…来た…
トクトクトクトク…聞こえない音!
あぁ、また現れる、あれが、あれが、あれが再び…
それらは視界を埋め尽くす。群れを成していた。
それらは聞こえない音を発しながら、ゆっくりとした息づかいでその生命活動をこなしていくだけ。止めることは出来ない。
これらは一体……何者なのか!
そうして、私はいつも動けなくなってしまい…
気がつけば、それは目の前から姿を消して、またいつものどっちつかずの世界の中で私は歩き出すのだった。

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目に見えないもの、聞こえないものを、彼女は必死につかまえようとしているようでした。
音の展覧会では、どのような世界をつかまえてくるのでしょうか。